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薬とサプリメントの違い

サプリメントの理解

はじめに

「サプリより薬の方が効く」と思っていませんか。

その認識、一度外してみてください。薬とセルフケアはどちらが上でも下でもない。目的がそもそも違います。戦争と合気道くらい違います。この記事はその話です。

 

薬は食品になれない

薬の多くは石油由来です。

石油から作られたものは、どう加工しても食品にはなれない。体にとって異物であることが前提です。だからこそ「特殊な条件下でのみ使用が許可されている」というのが薬の本質です。

極端に言えば、薬は毒です。毒をコントロールして使うことが、薬剤師という仕事の本質です。言い換えれば、薬剤師の仕事は薬を出すことではなく、薬の害から人々を守ることだと言えます。

15世紀の医師パラケルススはこう言いました。「すべてのものは毒であり、毒でないものは存在しない。毒か薬かを決めるのは量だけだ」と。薬理学の原点とも言われる言葉です。用法用量の意味を考えるとき、この視点は今も正確です。

500年前の人間が見抜いていたことが、現代の医療現場でまだ十分に活かされていない。そのことを、薬剤師として日々感じています。

 

薬の誤解を解きます

効果効能とは、「国の保証」ではない
「この目的にだけ使うことを認める」という許可の範囲を示したものです。効果を約束しているわけではない。

用法用量とは、「効きやすい量」ではない
「これを逸脱するとデメリットがメリットを上回る」という意味です。効きやすい量とは関係ありません。

副作用とは、仕様である
想定外の薬害ではなく、最初からわかっている想定内の問題事象です。上記の効果を守って、用法用量を守っても一定確率で発現します。

相互作用とは、副作用の上位版
薬物を組み合わせると互いの効果が強くなりすぎたり、逆に減弱したりすることがあります。副作用リスクで換算すれば1+1が3や5になる感じです。

3剤併用は予測不可能になる
3つの薬を同時に使うと、相互の影響が複雑に絡み合い、天気予報のように時間とともに予測不可能な状態になっていきます。完全な管理は不可能と言われています。もちろん薬剤師にも完全予測は不可能です。

薬は短期・急性期のツール
強い症状、命に関わる感染、激しい痛み。
こういう場面での即効性は本当に助かります。薬の真価は短期投入において最大化され、副作用ダメージも許容内に収まりやすくなります。

長期使用・蓄積毒性・ダメージ蓄積
肝臓・腎臓への負担、免疫の抑制、腸内環境の破壊。薬で症状を抑え続けることが、別の問題の種を蒔いていることがあります。肝臓の数値を悪化させる薬の数は、100や200で済みません。薬を飲んでいるから安心というのは正直に言って危険な思考です。

 

自然の摂理と戦うのが薬、流れに沿うのがセルフケア

薬の多くは自然の摂理に逆行するものです。炎症を止める、菌を殺す、免疫を抑える。
体が起こそうとしていることを力で止める。即効性がある。もちろん体への負荷も大きい。

食事やサプリは違います。体の仕組みに沿って、その仕組みを正常化させることが狙いです。即効性では薬に及びません。ただ、長期的に体の防御力を育てていく。これは薬には担えない領域です。

食事・サプリは体の仕組みに沿う
腸内環境を整える、免疫バランスを保つ、細胞の再生力を支える。自然の流れを助けるアプローチです。

長期管理に向いている
体質を変えるには時間がかかります。ただ実践的には、「適正に戻す」というイメージです。長期と言っても、数週間で戻せる可能性はあります。

石油製品と食品はまったく異なる
石油由来の異物ではなく、体が栄養として利用できる素材です。長く使い続けられる理由はそこにあります。

 

使い分けられる飼い主へ

薬を否定したいわけではありません。急性期には使う。ただ「いつまで使うか」を最初から考えておく。薬で症状を抑えながら、並行してセルフケアで根本を整えていく。それぞれ得意なことが違います。

「薬があるからサプリは不要」でもなく、「薬は毒だから使わない」でもない。目的を理解した上で、両方を使いこなす。それが今のペットケアに一番欠けている視点だと、薬剤師として感じています。

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