腎臓は寿命を決定づけるほどの重要な臓器。その腎臓を守るための知識とアイデアを複数の記事で紹介してきました。
しかしながら腎臓は身体から独立しているわけではありません。腎臓が体に影響を与えるのと同時に、全身の健康状態も腎臓に影響を与えます。
まだまだ伝えきれていないことは多々あります。その一部をここで紹介しますね。
良いアイデアは、組み合わせることで相乗効果を発揮し、結果として成功率を高めます!
葉物野菜から「根菜類」へのシフト
手作り食やトッピングで、キャベツなどの「葉物野菜」を与えている方は多いでしょう。しかし、ここで考えなければならないのが「残留農薬」という問題です。
日本にいる限り完全には逃げられませんが、毒の排泄器官である腎臓を守るときには、少し工夫しましょう。
葉物野菜よりも根菜類をお勧めします。残留農薬のリスクを低めに抑えるためです。もうひとつ理由があり、それは腸内環境の改善効果です。
根菜類の腸内改善効果は葉物野菜より優れているという研究データが存在します。私の実感と一致します。
あと人気のトッピングにブロッコリーがありますが、いま私がもっとも危険視している食材の一つです。
サバ缶(EPAとDHA)の活用
みなさん大好きな脂質と言えばオメガ3でしょう。青魚から自然な形で摂るのをお勧めします。とくにお勧めしているのがサバの水煮缶で、安価に、しかも美味しく摂取できます。保管に優れ非常食になるのも利点です。飼い主との食事ギャップも埋めてくれます。
なお良い油は酸化が弱点ですが、缶詰はこれも克服しています。
体重5kgなら1日5g、10kgなら10gが目安です。
はっきり言って、EPAとDHAをサプリで与える理由は見当たりません。
腹八分目に医者いらず
よくある勘違いの一つが「満腹なら健康で長生きする」です。
ちょっと考えれば誰でもおかしいことに気づくでしょう。なので説明は省きます。
さらに勘違いは二重構造になっています。「アメリカ基準のカロリーが最適」という常識は各自で見直してください。
アメリカスタイルの飼育法は日本と異なります。日本の座敷犬(猫)に当てはめたら、たいていはカロリーオーバーになります。
腎臓保護と長寿の観点からオートファジー(細胞の自食作用)を活性化させるべきですが、食べ過ぎはそのメリットをキャンセルしてしまいます。
食事量に依存した満足から、味や食事の多様性、雰囲気、エンターテイメント感へ少しずつでもシフトしていきましょう。
悪夢対策
またスピリチュアルな話ですか?なんて聞こえてきそうですが、意識という見えないものまで含めてこそ、本当の科学ですからね。
入院してステンレスの檻の中で体験した恐怖は、下手をすると数ヶ月のあいだ、夢となってペットを襲います。
人と違って彼らは夢と現実の区別がうまくつきません。習ってないからです。すると短期的で強烈なストレスが、長期的なストレスに変容し、腎臓にネガティブな影響を与えてしまいます。
足をバタつかせているのが「お散歩の夢」なら良いですけど、「必死に飼い主を探し駆け回っている夢」であれば対策しなくてはなりません。
この睡眠中のストレスを防ぐには、「飼い主がエンターテイナーとなる」が有効です。悪夢を見るなと言ってもうまくいきません。安心と驚きの、楽しくて笑っちゃう記憶で上書きしてください。
「リン」と腎臓の本当の関係
動物病院で腎臓病と診断されると、必ずと言っていいほど「リンを制限してください」と指導されます。それはまあ理解できます。
しかし、人間の成人の場合、体内には約700g〜800gもの大量のリンが存在しています。リンは骨や細胞膜の材料であり、生体エネルギー(ATP)の源となる、生命維持に不可欠なミネラルです。
また「リンが多いから腎臓が壊れる」という関係ではなく、「腎臓が壊れてリンが溜まりやすくなる」と考える方が、生命科学として整合性が取れます。
「リンを抜くほど腎臓が長持ちする」というのは暴論です。極端なリン制限で生体が歪み、間接的に腎臓の健康も奪われるでしょう。
腎臓治療薬の「本質」を知る
動物病院で処方される腎臓の薬(ACE阻害薬など)。これらはホルモンの働きによる一連の血圧上昇をブロックします。端的に言えば血圧降下剤です。対症療法であり、実質的に腎臓治療薬ではありません。
腎臓に良いとされますが、そもそも100%効く薬は存在せず、そのくせ副作用を併せ持ちます。血圧低下でふらつく、元気がなくなる、中には咳が出るものもあります。※副作用はまだまだあります。
ですので健康なうちから投与することはできません。
そもそも血圧を上昇させる交感神経の過緊張やストレスを点検し、ケアするのが先です。
治療中であっても基本的な考え方は同様です。対処療法で問題を先送りにする「誤魔化し」スタイルはあまり望ましくはありません。
すべての知識は、一つの「真理」に繋がる
いかがでしたでしょうか。
「食事」「ストレス」「ミネラル」「薬」。一見バラバラに見えるこれらの要素は、生命科学(生物が生きるための仕様)という視点の中で、すべて美しく一つに繋がります。
正しい知識というものは、決して対立したり矛盾したりしません。