ここまで3回にわたって、皮膚炎のメカニズム、マラセチア、薬との使い分けを話してきました。今回はいよいよ本題です。
アルピニアとは何か。どう使うのか。実際の変化はどうなのか。開発者である佐々木先生に、包み隠さず話してもらいました。
佐々木先生との対談音声(④)
今回はとくに熱が入るセクションだったので、長めの対談になってしまいました。すみません。散歩中にでも聞いて頂ければと思います。

スプレーとムースの使い分け
佐々木動物病院の改善率の高さ
佐々木先生の動物病院では、皮膚炎が長引く子にほぼ100%アルピニアを提案しているといいます。
佐々木動物病院での皮膚病の改善率は感覚値で50%以上。ただしこれはアルピニア単体での数字ではありません。最初は薬と併用しながら始めて、症状が落ち着くにつれて薬を減らしていく。最終的に薬なしでアルピニア単体で管理できるようになった子も少なくない、という話です。
アトピー性皮膚炎は繰り返す性質がありますが、再発の間隔が長くなる、症状が軽くなる——そういう変化が出てくる子が多いといいます。
なぜ薬剤師がアルピニアを勧めるのか
私は薬剤師です。薬の専門家として正直に言います。
まず安全性で評価しなくてはなりません。どの薬に比べてもアルピニアの方が安全です。これは販売しているから言っているのではありません。薬剤師としてのフラットな判断です。
薬は石油由来の化合物です。もともとは薬草から始まった医療が、石油ベースの化学物質に置き換わった。副作用がついてくるのはその構造上、避けられません。アルピニアは薬ではなく天然物の合剤。その思想は「薬草に戻るという方向」です。
スプレーとムース、開発の順番が逆だった
ここで開発秘話をひとつ。
実はアルピニアはムースが先に作られました。スプレーはその後でしたす。
もともとは皮膚病のケアを目的として、塗布タイプのムースとして開発されました。ところがある飼い主が皮膚用と知りながら胆泥の子に飲ませてしまった。すると胆泥が改善してしまった。その発見からスプレー(飲ませやすいタイプ)が開発されました。
スプレーとムースの違い

先程の図と同じです。
ムースについて一点補足します。「ムース」という名前から、シェービングクリームのようなもこもこしたものを想像される方がいます。違います。軽くふわっと泡立つ程度で、すぐさらっとなります。毛がまとまってしまわないよう、被毛の多い動物に使いやすいように設計されています。
使い方のコツ
スプレーの場合: 直接体にスプレーして、飼い主が揉み込む。毛の間を分けながら皮膚に届かせるイメージです。1日2回が目安ですが、副作用の心配がないので多めでも構いません。
ムースの場合: 手に取って塗り込む。スプレーより少し粘度があり、その差で滞留時間が長い。ゆっくりマッサージしながら塗り込む感じです。
どちらも共通のコツ: 舐めても安全ですが、皮膚に届けることが目的なので舐める前に浸透させたい。散歩前に使うか、食事前に使うと舐める前に他のことに集中してくれます。なお量は被毛の量によりますが、しっとりする程度です。基本は湿った毛は、拭かずに自然乾燥させてください。
飼い主の手も良くなる
対談中に佐々木先生が言っていた話です。
ムースを使った飼い主から「なんか私の手まで良くなってきました」という声が届くといいます。塗り込む際に手に残った分が、そのまま飼い主の肌にも働く。人肌にも安全な成分で作られているので、流さずそのまま手に塗り広げてください。
ペットのケアをしながら、自分の手もケアできる。しかも同じボトルを使える——佐々木先生はこれを「こんなに幸せなことはない」と言っていました。
ドライシャンプーとしても使える
意外な使い方として、ムースはドライシャンプーとして機能します。
心臓が悪くてシャンプーができない子、高齢で体力的に難しい子——そういう場合に、ムースを塗り込んでマッサージするだけで清潔を保てます。市販のドライシャンプーのように粉が残ったり、においが戻ってきたりすることもありません。
しかも前回お話ししたように、シャンプーのしすぎが皮膚を悪化させるケースがあります。シャンプーの回数を減らしながらムースでケアするという選択は、皮膚の状態を改善する可能性もあります。
散歩前に使うともう一つ効果がある
忌避効果とは虫が嫌がり近づかなくなる作用のことです。蚊、ハエ、アリが近寄りにくくなる。
殺滅するのではなく、近寄らせない。ベトナムでの動画記録では、蚊がスプレーをした体に着地しようとして、そのまま舞い上がっていく様子が撮れています。
散歩前に使う習慣にすると、ノミ・マダニ予防薬との相乗効果も期待できます。
※ノミ・マダニ予防薬は、実は刺されることを予防するものではなく、刺した後で虫が死ぬという設計です。
まとめ
全4回の皮膚ケアのシリーズは以上です。また録るかもしれませんが、おおよそ伝えきっているかなとも思います。
アルピニアに関して、私は佐々木先生ほどではありませんけれど、詳しい方です。もしご関心があればLINEでお問い合わせください。
薬の相談はもちろん得意です。痒み止めの中には免疫抑制剤もあり、長期的に逆に皮膚バリアを弱くするリスクがあります。ご愛犬ご愛猫を皮膚トラブルから解放したい、また今後のトラブルを回避したい、そんなときに私の知識と経験が役立つのであれば喜んで手伝います。
ちなみに音声中のサバ缶は、体重1kgに対して1gが一日目安量です。人用の水煮缶で良いです。健康長寿のトッピングとしてみんなにお勧めです。