動物病院との正しい付き合い方Q&A

医療の本音

動物病院の数って、多すぎませんか? 多いと思います。私の調べではペットの数は急減していますが、動物病院の数は増加しています。完全に矛盾していますが、それを支えているのが一人ひとりの窓口負担額。一匹あたりの医療費は15年程度でおそらく倍以上に増えています。


セカンドオピニオンって、失礼じゃないですよね? 失礼ではなく、飼い主が活用するべき制度です。転院ですら飼い主の権利ですが、セカンドオピニオンはもっと気軽なものです。意味としては今の獣医師が正しいことを、他の獣医師に評価してもらうわけです。そう考えると失礼さはありませんし、むしろ獣医師からしたら「どうぞどうぞ」という感じのはずです。もし嫌がる獣医師がいたとしたら、それこそセカンドオピニオンを使うべきです。


検査を勧められるんですが、全部受けたほうがいいですか? そうとは言えません。医療依存という言葉があります。とくに動物病院の数が過剰気味な現在、健康のすべてを丸投げしてしまえば、費用や時間のみならず、身体の負担や精神的なストレスもかさむでしょう。動物病院は医療施設であると同時に、サービス業でもある。そうした視点に多くの飼い主さんは違和感を覚えるとは思います。しかしながら過剰な医療が地域住民の健康度に寄与しないという研究もあります。検査であっても、ペットの負担やストレスを一番よくわかっている飼い主自身がコントロールするべき。その意向をしっかり獣医師に伝えて、効果的で合理的な着地点を目指すべき。それが私の考え方です。


かかりつけ医を変えたいんですが、どうすればいいですか? とくに手続きなどは不要ですので、何をするかと言えば、次の病院を見つけておくことでしょう。もしくは院内に複数の獣医師がいて、別の獣医師に代わってほしいということであれば、さすがに本人には言いにくいと思います。受付に伝えるのが良いでしょう。そのうえで、自分はどんな獣医師を求めているのか、多少は怖くても腕が良い獣医師、腕よりも親切でやさしいほうが良い、薬をたくさん出してほしい、身体の負担を一番に考えてほしい、そうしたことをまとめることが、きっと何よりも大切だと思います。


動物病院って、どう選べばいいですか? 私の考えでいけば、腕の良さ、センスの良さ、外科も内科も強くて、できれば代替療法の知識も兼ね備える、そんな獣医師です。◯◯専門みたいな感じじゃないほうが個人的にはおすすめです。なぜならば体はすべて繋がっていて、内臓は独立しているようで、常に連携しているためです。「木を見て森を見ず」ではなく、広い視野で多角的に見てくれる先生が良いですね。あと、ちょっとくらい怖いほうが好きです。親切丁寧に飼い主の目線に下げてくれるのは嬉しい気がしますが、飼い主の成長と自立を止めてしまいます。


診察室でこちらの意見を伝えるコツはありますか? 白衣の前で緊張はよくあることですし、そんな悩みは飼い主さんからちょくちょく聞きます。そして獣医師は喋ることのプロでもあります。いくら頑張ってもその場で対等に渡り合おうとしても限界があります。ですので、まず伝えたいことや質問を家でリストアップして、そのメモを診察券と一緒に受付に渡してみてください。たぶん診察前に獣医師はそれを見てくれます。あとは、スマホなどで録音させてもらうのもありです。強引だなって思うことが多いなら、試してみる価値はあります。いつも以上に話を聞いてくれると思います。相手にやましさがなければ、快くOKしてくれるでしょう。あとは弁証法でしょうか。ちょっと慣れが必要ですが、岡田の基本的なスタンスでもあります。弁証法の醍醐味は、こちらの主張(テーゼ)に相手の主張(アンチテーゼ)をあわせて、より良い結論(シンテーゼ)を導く対話法です。現代の論破とか勝ち負けとかとは次元の違う、双方が納得できる、笑顔になる、建設的な対話法です。