過度なストレスは、多くの病気の発症や悪化に関わっており、それは犬でも猫でも人でも同じです。
ストレスは万病のもと、病気悪化のもと
健康は、肉体とメンタルの両輪で考えるのが、うまくいくコツです。
ストレスは発がん、腎臓病、肝臓病、各種精神病、脳疾患、胃潰瘍、腸炎、感染症、高血糖、高血圧、皮膚炎…ありとあらゆる病気に関わりがあります。
また食欲を左右したり、攻撃的になったり、病気とは言えないながらも良くない影響があります。
理由は複数ありますが、ストレスが交感神経を優位にする、副腎皮質ホルモン(ストレスホルモン)が増える、免疫低下、睡眠の質の低下…こうした状態が病気を引き寄せると言えます。
最大のストレスは食事である
犬猫の最大のストレスは、おそらく食事です。
多くの子は毎日の単調な食事、味気ない食事に対して、疑問を持っています。
疑問を抱く理由は簡単で、同じ家の中で家族が、美味しいものを日替わりで楽しんでいるのを知っているからです。
暑い日にはアイス、食後にはデザート、お茶菓子にケーキ、ジュースにお酒。
そして野菜にはドレッシング、パスタソースに餃子のタレ、食事を楽しむために当たり前のように味付けをします。
美味しい匂いが充満する部屋で、何年にも渡ってつまらない食事を与えられ、彼らは犬猫に生まれてきたことを後悔しているのかもしれません。
この出口の見えない永遠のストレスが、さまざまな病気に関わっていると考えられます。
食事のストレス対策
少量の味付けをお勧めします。
最初は、たとえば食器の縁にマヨネーズをつけて、舐めるかどうかを本人に任せてみてください。
マヨネーズは怖いと思うかもしれませんが、主な原材料は卵、油、酢、塩です。
ペットフードよりも安全と言って良いでしょう。
マヨネーズを食べなかったとしてもその香りが食事に華を添えていると思います。
単調にならないように、鰹節、すりごま、麺つゆ、ポン酢、各種タレ、各種ソースを日替わりで試していくと良いでしょう。
LED照明
照明環境はストレスの一因になりえます。最近普及したLEDは省エネで長寿命という特徴があるわけですが、ペットや人に新しい問題を引き起こしているのかもしれません。
LEDのフリッカーについて
フリッカーは、光が高速で点滅する現象です。LED照明にフリッカーはつきものなのです。とは言え、文字通り「目にも止まらぬ早さ」で点滅しているので認識されません。しかしながらどうも脳や神経に影響を与えているようです。
改良された「フリッカーフリー」とされているLED製品でも、単に点滅間隔を非常に速くしただけのものが多いので、完全な解決にはなりません。
犬や猫は、私たち人間よりもフリッカーを感じる感覚が鋭い可能性があります。一般的に小型の動物のほうが動体視力が良いためです。
- ストロボの中で暮らしているような感覚
フリッカーはペットたちにとってストロボのような不快さかもしれません。安易に結びつけてはいけませんが、やけに散歩に行きたがる、庭やベランダに出たがる子は、何か感じているのかもしれません。 - 頭痛や不安感
私たちがストロボ光の中に長時間いれば、頭痛になるかもしれません。落ち着かなくなったり、光の届かないところに行きたくなります。ペットでも同様でしょう。 - 睡眠の質の低下
フリッカーが睡眠に影響を与え、生体リズムを狂わせる可能性があります。
家族の体臭のマスキング
犬猫は人にわからないにおいを嗅ぎ分けます。
その一つが体臭であり、体臭の変化から家族の感情を読み取っている可能性は高いと言えます。
おそらく人が表情のわずかな変化を見て、相手の気持ちを察するように、彼らは嗅覚を使います。
嗅覚の遮断は、視力を失う以上に不安を与えるでしょう。
ハンドソープの使用は控えめにしましょう。香りの強いシャンプーやボディソープも体臭を消しすぎてしまいます。
衣類の洗剤、柔軟剤にも気をつけてください。
彼らは人のくさい匂いが好きです。きっと歯磨き粉は嫌いで、昨日食べたにんにくの臭いのほうが好きです。
汗のにおいが大好きで、枕カバーや靴下に興味を示す子が大勢います。
夢のストレス
人と同じように犬猫も夢を見ます。
最近経験したこと、過去にあったインパクトの強いことは、きっと夢に出やすいはずです。
直近の感情は、夢に楽しかったり悲しいストーリーを与え、ときには恐怖の物語とするでしょう。
例えば入院したときの一人ぼっちの体験。家族のいない、冷たい金属ケージ。知らない犬猫のにおい、痛みにうなされる声、明日僕はどうなってしまうのだろう?目を閉じても眠れない。
こうした非日常的な体験はインパクトが強く、夢に出やすいと言えるでしょう。
問題は、彼らには夢と現実を区別できない可能性があることです。
つまり毎晩入院の夢を見るとき、本当は月に一度しか通院していないのに、夜な夜な動物病院で過ごしていると勘違いしかねません。
寝ながら足をバタバタさせているのは散歩の夢かもしれませんし、何かから逃げ出そうとしているのかもしれません。
夢を見るなと言っても、楽しい夢を見ろと言ってもたぶん対策としてはダメです。
そうではなく、楽しいことで上書きするように考えてください。
家族が急に歌って踊りだした!抱っこされて床をゴロゴロ転がった!最近の食事が楽しくてたまらない!
明日はどんな楽しいことがあるのかな?早く明日にならないかな。
そう思わせることが、効果的な夢の管理法です。