こんにちは、岡田です。
今回は点滴について一緒に学んでいこうと思います。
「点滴って何だと思いますか?」と聞いたとき
答えられる人って、意外に少ないんですよね~
ここで学んで、差をつけちゃいましょう!(だれに?笑)
いつもと違った感じで書いてみました。
ではさっそくまいりますね!
点滴にはどんな種類があるの?
細かく言えばいろいろありますが、代表的なものは
生理食塩液とブドウ糖液です。
それぞれの中身は何?
生理食塩液
0.9%の塩を含んだ水、すなわち塩水です。
100ml中に0.9gくらいの塩が入っています。
その塩分濃度はだいたい味噌汁くらいです。
ブドウ糖液
5%のブドウ糖を含んだ甘い水です。
100mlに5gくらいのブドウ糖が入っています。
スポーツドリンクくらいの甘さかなと思います。
1パックいくら?(薬価)
とにかく安いですよ!
生理食塩液もブドウ糖液も
100mlで、150円弱
1000mlで、250円弱って感じです。
それを実際にいくらにするかは動物病院の自由です。
点滴の目的って?
難しく言うと、細胞外液量欠乏の治療です。
簡単に言えば、脱水状態を水分と塩の補給で改善させることです。
ブドウ糖を補給するという目的では、たぶんそんなに使いません。
あとは飲むことができない薬をどうしても体に入れたいときに使います。
なぜ連用するの?
これは正直よくわからないのですけれど、強いて言えば
自力で水が飲めなくて脱水状態が続くときの水分補給ですかね。
あとは下痢や嘔吐、高熱でずっと脱水状態のときでしょうか。
でもそんなケースは一般的ではないので、やはり連用する意味はよくわかりません。
人はそんなに連用しないです。
肝臓病や腎臓病が治るの?
治りません。
予防にはなりますよね?
治りません。
もし尿が増えすぎていて飲水だけでは脱水してしまい、その結果として腎臓がおかしくなっているなら・・・
でもそんなケースはあまりないですかね~
なので点滴で予防できるかと言われるとやっぱり違いますかね~
食欲が普通にあるときも点滴は必要なの?
基本的には不要ですね。
副作用はあるの?
ただの塩水やブドウ糖液ですので、まず無いです。
他に薬を混ぜていれば、その副作用が出ることは考えられます。
とくに抗がん剤の場合は、高確率で何らかの副作用が出てしまうでしょう。
痛いですか?
針を刺す痛みはありますけれど、基本的には痛くはないです。
ということはリスクは無い?
点滴操作が雑だと菌が入って腫れてしまったり、熱を出すかもしれません。
血液に菌が入るのは場合によっては危険です。
強制的に水分を入れますので、しばらく水を飲まなくなるかもしれません。
メンタル的にはどうなんでしょう?
もし点滴好きな子でしたら別ですが
しばらく動けない時間はストレスでしょう。
入院や通院頻度が増えることもストレスでしょう。
聞いているところでは、どうも飼い主さんへの信頼度に影響することがある感じです。
点滴は止められないのですか?
基本的には止められると思います。
点滴で命を繋ぐような状況というのはほぼないと考えます。
どうしても止められないケースはあると思いますが、実際には少ないでしょう。
でも点滴後は血液検査が良くなりますよね?
そうですね、点滴で血液が薄まるので高かった検査値は一時的に下がります。
ああ、なるほど、まず犬猫たちの血液の量を知っておかないとですね。
血液量は体重5kgの子で300mlくらい、3kgだと200mlくらいしかありません。
そこに100mlも点滴を入れたら相当薄まります。
でもたぶん一時的に良くなったように見えて数日後また元に戻ると考えます。
点滴した日は元気になりますよ?
そうですね、元気になる子がけっこういます。
普段から塩を抜いている子はとくに元気になります。
塩不足になるとたいてい元気が落ちるからです。
頭痛、低血圧、頻脈、疲労感、食欲不振、吐き気が出やすくなります。
不足程度ならまだしも、欠乏すれば健康維持どころか生命維持が難しくなり、当たり前ですが各種検査値も乱れてきます。
ついには痙攣を起こしたり昏睡に陥ります。
塩分不足の子にとって、塩水点滴はまさに助け舟となります。
家で塩を減らしているのに、病院で塩を入れるって変じゃないですか?
私も変だな~と思います。
ブドウ糖がエネルギーになるんじゃないですか?
もちろんエネルギーになりますけれど、ちょっと足しになる程度です。
なので通常の点滴は食事の代わりにはなりません。
リンゲル液の点滴なら大丈夫ですか?
なにを基準に大丈夫と言えるのかですが、塩分量のことだとしましょう。
リンゲル液ならば生理食塩液よりも塩分をちょっと減らせます。
ちょっとなので塩分量が大丈夫かという意味ならば大丈夫とは言い難いです。
塩が減る分、カリウム、カルシウムが増えます。
獣医師に点滴に通うように言われます
ここには書かなかった、何か別の事情があるのだと思います。
でも点滴の基本はここに書いてある通りです。
獣医師にしっかり説明してもらって、よくわからない点があれば食い下がってでも質問しましょう。
大原則として、デメリットを上回るメリットがない治療はやるほど損です。
病院は得かもしれませんけれど、そのあたりはよくわかりません~
(本当はわかるかも)
飲食できるなら点滴は不要ってことですか?
基本的にはそうだと思いますよ。
とくに点滴の連用には違和感を覚えますが、いきなり止めるのではなく、頻度を減らすところからですかね。
まずは塩分不足かどうかを確認したらどうでしょう。
塩が入った手作りスープや味噌汁を薄めたものを少量、飲水の器の横に置いてみてください。
喜ぶかどうか、さらに催促してくるかどうか、まずは観察してみると良いでしょう。
でも口から摂るのと点滴で入れるのとは違いますよね?
あまり違いがわかりませんが、脱水の改善スピードを追求するならば点滴のほうが上ですね。
上の方に書きましたが、点滴の一番の目的は、自力で水が摂れないときの脱水解除です。
目的を履き違えてしまうと、整理がつかなくなってしまいますね。
何か獣医師の裁量で例外的な使い方をしているのであれば、獣医師の頭の中にしか答えがありません。
それじゃ困ると思いますので、獣医師からとことん聞き出しましょう。
以上です!
今回はあまりダラダラ書かずにQ&Aのようにしてまとめてみました。
どうでしょう?
こういう感じのほうが読みやすいでしょうか。
ちなみに私はだいぶ書きやすかったです!
感想などありましたら教えてください^^
でもなんかちょっと書き足りないので、ちょっと余談を。笑
人の薬剤師だった岡田は、動物医療を知るようになって最初に思ったことがあります。
「なんでこんな気軽に薬を使うの!?」
「種類も多いし、それに体重あたりの量が多すぎ!」
「こんなに長く抗生剤使ってたらまずいってば」
「何このステロイド量!」
薬を大量に入れれば、それはもちろん目に見えて効果が現れやすくなります。
同時に副作用や治療リスクも増大するわけですが、そっちに目を向けてないわけですね。
なんでそうなるかといえば、犬猫たちが不調を訴えないからです。
頭痛に胃痛、手足のしびれに目眩、耳鳴り、ストレス
こうした副作用は、実は本人が訴えない限り周りの人はもちろん、医者にも伝わりません。
点滴も同じです。
なんでこんなに点滴に通ってる子が多いんだろうって、いつも思ってて。
なので今回は点滴について書いてみたわけです!
岡田の主観がたっぷり入っていることをご承知の上、参考にしてみてくださいませ。
ということで今回はこのへんで
また次回の飼い主コミュをお楽しみに!