ペットが我慢し続ける、最大のストレスとは

ご愛犬ご愛猫の一番のストレスは何だと思いますか?——この質問に対して、たいていの飼い主は「散歩が足りないこと」「留守番」「騒音・臭い」と答える。おそらく、それらはすべて間違っている。

本気で犬や猫になったつもりで考えてみよう。楽しいはずの食事の時間。いつもと同じフード、味気のない手作り食。それに対して家族は何を食べているだろう。あなたの目に飛び込んでくるのは毎回違った食事。ほかほかの白米に焼き魚とお味噌汁。ときにはカレーライス、餃子、ラーメン、ハンバーグ。野菜を美味しくするドレッシング。暑い日にはアイスクリーム、年始はおせち料理だ。そして自分の食事に目を移したとき、本当に幸せを感じるだろうか。「なぜだ?」という疑問が湧かないだろうか。

この“食の不平等”は、ペット栄養学ではけして語られない最大のストレス因子だ。ギャップと言えばまだ優しいが、自分が犬猫だったときに差別のように感じるはずだ。

もしあなたが次に生まれ変わるとしたら、「犬や猫になっても構わない」と言えるかどうか。

健康管理のためある程度の食事の制限はあっても良い。家事負担軽減のために、ペットフードを使うことに問題はない。だからといってそれが彼らの「本当のストレス」に無関心でいることの免罪符とはならない。

ストレスは多くの病気の発生や進行に深く関わる要因である。ときに栄養管理よりも大きなインパクトを与える。

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