夕張モデル:幸せと持続の可能性を併せ持つ、新たな医療の形

夕張モデルの概要: 新しい医療の形と希望

先生: みんな、今日は「夕張モデル」について話そうと思う。夕張モデルは、夕張市が財政破綻を乗り越えるために生み出した新しい医療の形だ。この話は一部の人たちからすると、医療批判のように感じるかもしれないけれど、そうではないんだ。高度成長期が終わり、衰退期に入った今の日本において、未来に向けて持続可能な医療の提言になりえるんだ。

夕張市では、そもそも対立している余裕なんてなかった。お互いに力を合わせる必要があったんだよ。建前じゃな、心と心が近づくような、本音のコミュニケーションが増えたようだ。自分だけ得をすればいいという利己主義ではなく、誰かを助けることが自分の幸せだと思えるような「利他主義」が当たり前になっている。

違う言い方をすれば、現代的な個人主義ではなく、助け合いや支え合いが普通だった昭和時代に戻った感じだ。今日はその背景や仕組み、そして現代の日本にどう活かせるかを一緒に考えていこう。

 

先生と生徒の対話スタート

生徒A: 先生、「夕張モデル」って何ですか?最近のモデルさんですか?えっ、写真とか見たいな!

生徒B: 夕張メロンを持ってポーズする人ですよね!

先生: (苦笑しながら)いやいや、そういうモデルじゃないよ。「夕張モデル」っていうのは、夕張市で財政破綻を乗り越えるために生まれた新しい医療の形のことなんだ。たしかに「モデル」って言うと、ファッションとかイメージするよね。

生徒C: あ、なるほど。夕張市で始まったから「夕張モデル」なんですね。じゃあ、全然おしゃれな話じゃないんですね…。

先生: (笑いながら)そういうこと。でも、この話はおしゃれなモデル以上に大切なことを教えてくれるよ。夕張市がどんな状況でこのモデルを生み出したのか、一緒に見ていこう。

 

夕張市の歴史と財政破綻の背景

生徒A: 夕張市ってどんな町だったんですか?そして、どうして財政破綻したんですか?

先生: 夕張市は北海道の中部、札幌から約60km離れた炭鉱の町だったんだ。最盛期の1950年代には人口が11万人を超え、石炭の生産量は日本一を誇った。しかし、エネルギー革命で石炭需要が激減し、炭鉱が閉山。人口が急激に減少し、町の収入も減少していった。

生徒B: 観光で立て直そうとしたんですか?

先生: そうだね。「石炭の歴史村」や「夕張メロン」を観光資源として活用したけれど、大規模な観光施設を維持するために多額の借金を抱え、2007年に353億円の赤字が表面化。最終的に累積債務は600億円に達し、自治体としては全国初の財政破綻を迎えたんだ。

生徒C: すごい額ですね…。今の夕張市はどうなっているんですか?

先生: 現在、特例債の残高は約80億円まで減り、2027年には全額返済の見込みだ。ただ、破綻時1万人だった人口は6,000人強にまで減少している。
厳しい状況だけど、住民たちはその中で新しい生活の形を作り出しているんだ。

 

夕張モデルが示す新しい医療の形

生徒A: 財政破綻して病院がなくなったら、住民はどうやって健康を守ったんですか?

先生: 総合病院を診療所へと縮小し、医師や看護師が家庭を訪問する在宅医療を導入したんだ。市の病床数が19床にまで減ってしまったからね。加えて、予防医療を重視し、「病気にならない体づくり」を住民全体で進めた。これが「夕張モデル」と呼ばれるものだよ。

生徒B: 病気になったら治すのが医療だと思ってたんですが、それとは違うやり方なんですね。

先生: そう。「病気になったら治す医療」から「病気を未然に防ぐ医療」に転換したんだ。お金がなくてやるしかなかったこの大転換の結果、想定とは真逆の結果になった。医療費が大幅に削減されたのにも関わらず住民の健康寿命は悪化しなかったんだ。健康が維持されたんだ。

 

健康と幸せの関係: 夕張モデルの本質

生徒C: 健康になれば幸せになれるってことですか?

先生: 実は逆なんだ。夕張モデルが示しているのは、「幸せでいると病気になりにくい」ということなんだよ。破綻後の夕張市では、住民同士が助け合い、つながりが深まったことで生活の満足度が高まった。そして、その「幸せな生活」が健康を支える大きな要因になったんだ。

生徒A: それって「病は気から」ってやつですか?

先生: その通り。「病は気から」という古くからの知恵を現代に蘇らせた実例とも言える。夕張市は便利さを失ったけれど、住民が地域に根ざし、支え合うことで「幸せ」を感じる生活を取り戻した。それが結果的に健康を守る力になったんだ。

生徒B: つまり、医療だけでなく、生活そのものが健康に影響するんですね。

先生: そうだね。医療は重要だけど、それだけでは健康は守れない。幸せや満足感をどう作るかも、健康を支える大切な要素なんだ。

 

医師と患者の新しい関係性

生徒C: 医療費が減ると困るのは医師たちですよね?

先生: 部分的にはそうかもしれないけど、セルフケアが広がることは医師にとってもメリットがあるんだ。医師が「病気を治すだけの存在」ではなく、「健康を守るパートナー」としての役割を担えるようになるからね。

生徒A: 医師たちはやっぱり大変なんですか?

先生: 特に開業医は患者との関係や経営のプレッシャーでストレスを抱えやすい。データによると、開業医のうつ病率は高い傾向にあるんだ。セルフケアが広がれば、患者が医師にすべてを依存する状況が減り、医師の精神的負担も軽減される。

 

実際に夕張市で働く医師の印象

先生: 実際に夕張市で働いている医師たちの声も、すごく興味深いんだよ。彼らの中には、夕張で働くことを「医師としての原点を思い出せる場所」だと感じている人もいる。例えば、ある医師はこんな風に言っていたんだ。

「夕張では、医療の本質を問い直す機会がある。患者さんとじっくり話をし、生活の背景を理解しながら治療や予防策を提案することが求められる。大きな病院のような効率性だけを重視する環境とは違い、人間同士の関わりが深まるんだ。」

生徒B: それって、忙しさだけじゃなく、医師としてやりがいを感じられそうですね。

先生: そうだね。実際、患者と深く関わることで、医師自身が学び直しをする場になっているんだ。別の医師は、「患者さんの健康を支えることに専念できる環境が、自分自身の心の健康にもつながっている」とも言っていたよ。

生徒C: つまり、医師も患者と一緒に成長する関係性が作られるんですね。

先生: その通りだ。夕張モデルの中で、医師もまた新しい役割を見つけつつあるんだよ。

 

都市近郊での可能性: 新たな移住の形

生徒B: 夕張市は炭鉱の町で札幌からも遠いですよね。ロケーションのせいで若者が流出したんじゃないですか?

先生: その通りだ。ロケーションが悪く、若者は仕事を求めて都市部へ流出した。でも、もしこれが都市近郊の自治体で起きたらどうだろう?夕張モデルのような仕組みを求める人々が、むしろ移住してくる可能性もあると思わないかい?

生徒C: 確かに、都市近郊ならアクセスも良いし、自然豊かな場所で健康的な生活を送りたい人が集まりそうですね。

先生: そうなんだ。夕張モデルは厳しい条件下で生まれたけれど、ロケーションの良い場所で応用すれば、より多くの人々が興味を持つかもしれない。特にテレワークが普及している今の時代には可能性があるよ。

 

閉塞感漂う現代日本への希望の光

生徒C: 夕張市の話って、ちょっと暗いイメージがありますけど…。

先生: 確かに、財政破綻のニュースはネガティブに聞こえるかもしれない。でも、夕張モデルは日本全体にとって「希望の光」とも言えるんだよ。閉塞感が漂う今の日本で、「これならいける」と感じさせてくれる実例なんだ。

生徒A: どういうところが希望になるんですか?

先生: 高齢化や人口減少が進む中で、夕張市のような厳しい状況に置かれる自治体がこれから増えるかもしれない。でも、夕張市の経験を参考にすれば、住民が自分たちの健康を守る新しい仕組みを作り、幸せを感じる社会を作れる可能性がある。これを全国に広げれば、日本全体の未来は明るくなるんだ。

 

まとめ: 大人の責任と次世代の役割

先生: 最後に大事なことを話すね。夕張モデルが教えてくれるのは、「便利さ」を犠牲にしても、幸せと健康を守る新しい形があるということ。そしてその鍵は、「幸せでいること」が「健康を支える」ことなんだ。

生徒A: でも、これって私たち次世代に責任があるってことですか?

先生: 君たちに責任を押し付けるつもりは全くないよ。むしろ、これを実行する責任は今の大人たちにある。私たちは君たちの世代に、良い日本を渡してあげたいと思っている。でも、多くの大人たちはそのことにまだ気づいていないんだ。

生徒B: じゃあ、私たちが何か気づかせる役割を持てるんですか?

先生: その通りだよ。君たちの視点や発想力は、新しい風を吹き込む力がある。だから、君たちの声で気づかせてほしいんだ。「幸せと健康を両立する社会を作れる」という希望を、共に作っていこう。

 

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