にんにくはダメにきまってる?

限定コラム

ペット健康相談にはいろいろな方から質問がきます。

今回はちょっと変わった相談?を取り上げて、深掘りする中から学んでいこうと思います!
私が変わり者だということもわかります!笑

一概にペット相談といっても状況はそれぞれ異なるため、みなさんの悩みもそれぞれ異なっています。
ですので回答するのに定型文みたいなものがほとんど使えず、一人ひとりに異なる回答をしています。

聞かれたことだけに回答するのではなく、そう考えるに至った背景や根拠を書くこともあります。
きっと次にこういう疑問が湧いてくるだろうなと先に予想して、聞かれる前にお伝えすることもあります。

そんなことをしているので、たまに回答が原稿用紙2~3枚分になってしまうことも・・・
小学生から大学までずっと国語が一番の苦手科目でしたので、文章を書くのが遅い!
この飼い主コミュも、ひとつの記事に数日かかったりします。汗
(話の脱線が多いからという説も)

それでも喜んでいただける方がいる限り、やり続けます。
この仕事は私の天職じゃないかな?と感じておりますので!

 

ペット健康相談では、どんな人からも相談を受けますから、ときには次のような相談?も来ます。

 

「にんにくを犬が食べたらネギ同然だめなのに、
なぜにんにく与えられるなんてエセ情報出してるんですか?犬のこと書いてるのに犬に対しての知識まるでないんですか???」

 

 

もうひとつ、以前にこんな相談??もありました。
たしか電話でしたね。

「おたくのホームページにはアスファルトを舐めたら健康に良くないと書いてありますよね。でもうちの犬はアスファルトを舐めますが健康です。ウソを書かないでください。消してください。」

 

・・・相談じゃないですね。お叱り?涙

 

こういう連絡が来ると本当につらい気持ちになりますけれど、数としては1000件に1件くらいですから耐えられます。
私は人よりも鈍感ですし!

 

上の2つは、どちらも私の考えに対する反対意見なのですが、冷静に見ると、それぞれ性質が異なるものだと気づきます。
どこが違うのでしょうか?

それは事実ベースで語っているのか否か、という点です。

アスファルトはこの方の実体験、つまり事実をベースにして話していらっしゃいます。

私は作り話よりも、この飼い主様のような実話が好きです。

事実、重油から作られるアスファルトには有害と考えられる物質が大量に含まれているわけですが、この方のワンコさんが(少なくとも今は)健康であることは事実です。
ですので、この方の意見を取り入れさせてもらってホームページを少しマイルドな表現に書き換えました。

 

では、先のにんにくの方はどうでしょう?

文章から察するに、この飼い主さんはにんにくを与えたことがないと思います。
おそらく知り合いにも与えた子はいないと思いますし、実際のにんにく事故を見聞きしたこともないでしょう。
にんにくを食べたらダメという情報が多数派だから正解で、少数意見はウソに決まっていると判断されたのでしょう。
事実をベースにしないで、情報だけを頼りにメールを送ってきたのでしょう。
情報も内容の正確さではなく、その数が多いか少ないかで判断されたのだと思います。

 

多数派の情報ってどんなだろう?
気になる、確認しなくては!

 

日本において、にんにくが異常なほど危険視されていることは以前から知っていましたが、今回改めてネット検索してみました。
するとすごい状態ですね~!
ネガティブ意見が大多数で、肯定的な意見が圧倒されています。
(以前はこんなだったかな?)

さらに情報収集を続けてみました。

その結果わかったのは、たいていの記事が次ように結論づけていることです。

「にんにくは少量でも危険、溶血が起こり大事故になる。死ぬかもしれません。だからすぐに病院へ行くことを勧めます。」

 

もう一つわかったことは、実際に事故を起こした人の実話が1件も見当たらないこと。
不思議なことに、いくら探しても無いんですよね。
にんにくによる事故。

私の勝手な推測では、毎日数千~数万匹のペットが何らかの形でにんにくを摂取しているのですけど、事故の記事が無いんですよね。

普段使わないツイッターもざっと見ましたけれど
無いよ~><

 

実験的に犬ににんにくを大量に与えたところ、おかしくなる子がいたという論文はあるようです!
それは実験であって事故ではありませんけれど。
実験ですから、おかしくなる犬が現れるまでにんにくを与えてみたという感じでしょうか。

他にもいくつかの実験があって、危険だという結論もあれば
反対に、安全で健康メリットが有るという結論もあるみたいです。

全体を通して得られた私の印象は、どちらかというと実験によって安全性と有益性が確認されているな。
たしかに大量に与えた場合、中には調子を崩す子もいるけれど、少量ならば大丈夫そうだな。
だから普段使い程度の量では事故は起こらないわけで、事故の記事が見つからないことにも納得できるな、です。
あくまで私の印象ですよ!

 

当然ですが、にんにくを否定する記事の多くは、悪くなった実験を強調・重視して取り上げているようでした。
あくまで印象ですからね!

 

にんにくのメールの飼い主様は、きっとそうした記事を読んでいらっしゃったのだと思います。

ちなみにメールが届いていたのは夜中の3:35です。
ネット記事で混乱させられたり、疲れていらっしゃったのかな。
きっと意見が違うというだけで誰かを攻撃するような人ではないと思います。
この方の持つ正義感からメールしてきたような気もします。
であれば本当に悪いのはネット記事のどれかでは?

 

世の中の常識ってすべて正しいとは限りませんよね。
だからとにかく本当のこと、真実を知りたいって気持ちになるわけです。
あれ、なりませんか?
もしかして私だけ・・・?グスン

すみません、うそ泣きしました。
気を取り直して続けます。

 

けしてにんにくを与えてほしいとは言いませんので、勉強のテーマとしてお付き合いくださいませ!
きっと洞察力が高くなり、動物病院を始めとして、さまざまなシーンで役立ちます。

まずは「常識」とは何であるのか?が大事なので、それを共有するところから始めますね。

ウィキペディアには常識について下のように書かれていました。
ほぼ私の考えと一緒です。

 

常識(じょうしき、英語: common sense)は、社会的に当たり前と思われる行為、その他物事のこと。社会通念ともいう。対義語は非常識(ひじょうしき)。

いったん物事が常識として受け入れられれば、その物事は異議を差し挟まれにくくなる。そのため、常識の内実はしばしば大きな政治的価値を持つ。常識は、メディアを通じて変じることがある。常識を欠いている場合、社会生活上に支障をきたすことも多い。社会によって常識は異なるため、ある社会の常識が他の社会の非常識となることも珍しくない。これは文化摩擦などとして表面化することもある。アルベルト・アインシュタインは、「常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである。」と、常識は真理とは違うと指摘している。

 

ついでに常識についての格言もたくさん見つけておきました。
なかなか面白かったのですけれど、長くなるので最後に紹介しておきますね!

 

では、次は事実紹介の番です。

私の知っているにんにくに対する事実を挙げてみます。

これまでの健康相談の中で、にんにくを犬に与えたことのある飼い主さんが10人くらいいらっしゃいました。(実家の犬、むかし飼っていた犬を含めるともっと多い)
会ったこともない私に、世間的には批判の的になるにんにくの話をしてくれたわけですから、かなり信用してくれたのでしょう。
有難うございます^^

では、その結果がどうだったのかと言いますと。
にんにくを与えて亡くなった子は・・・ゼロでした。
よかった~

病院に運ばれた子もゼロでした!
本当によかった^^

家で貧血症状が出た子もゼロでした!!
よかった~!って・・・あれ?

ゼロってことは無いでしょ!ゼロなんて?

 

にんにくは溶血する危険食品だと、ブログも獣医師もみんな口を揃えて言っているわけですから、少なくとも半分くらいの子はフラフラになってもらわないとダメですよね?

たまたまの偶然ですかね~

本当は90%の子がおかしくなるのであれば、1億分の1くらいの確率を私が引き当てたのかな?
それか私が奇跡を呼ぶ男なのかしら。笑

というか、私のことはどうでもいいですね!
次にいきましょう。

 

ではでは、私の知っている次の事実にまいりますね。

私はここ長野県で犬を二匹飼いました。
そして、にんにくをときどき与えていました。(自己責任ですよ!すでに安全であることを知っていましたから)

めんまは体重2kgくらいの雑種犬、ハッピーは5kgくらいのシェルティです。
数えていませんが、たぶんそれぞれの子に10回以上にんにく入りの食事を与えたと思います。

注:にんにく否定派の方には本当に申し訳ありません。すべて私の自己責任でやってますので真似しないでください!勧めてもいません。

 

それで気になる結果は・・・
やっぱり何も問題が起きなかったのです。

ぐったりもしませんし、黄疸も出ませんし、いつも通りピンピンしてました。
特にめんまはとんでもなく陽気なやんちゃ坊主(女子)でしたから、ちょっと元気がなくなればすぐ私も気づきます。
それが何回与えても元気だったんですよね~

一回くらい倒れても良さそうなのに、これは一体どういうことなのでしょう!

これは聞いた話ではなくて、私の実話(実験結果)です。

 

最後にもう一つ事実を出しましょう。
これで確定だと思いますし、頂いたにんにくのメールにも、以下の事実を用いて回答しています。

先に、にんにくのメールの内容を振り返っておきましょう。

「にんにくを犬が食べたらネギ同然だめなのに、
なぜにんにく与えられるなんてエセ情報出してるんですか?犬のこと書いてるのに犬に対しての知識まるでないんですか???」

 

では常識が覆るような、事実中の事実、まいります!

事実、海外にはにんにく入りのフードがあります。
一種類ではなく複数です。
別に特殊なフードというわけではなく、一般的なフードに普通に入っています。

事実、そうしたフードの一部は日本でも売っています。
ということは、当然のこと買っている人がいて、おそらくリピータさんもいることでしょう。

私の見たところでは安いフードよりも、どちらかというとプレミアムフードに入っている感じですかね。

原材料の欄に「にんにく」とそのまま書いている気概のあるメーカーもありますし、英名の「ガーリック」と書くところもあります。

海外では問題なくても、ここは日本です。
きっとメーカーさんは問い合わせが多くて大変でしょう。

メーカーによっては「弊社のフードにはにんにくが入っていますが、いままでに事故など一切ありません。」といったことを専用ページを作って説明していました。

苦労を察します。

にんにくを入れている理由、にんにくを入れることによって得られる健康メリットを丁寧に書いているところもありましたよ。

どれだけ多くの批判に対応しているのだろう?と想像したら、思わず「がんばってください!」と応援メールを送りたくなりました。

 

にんにく入りのフードを与えている方は、けしてそのことを人に言わないでしょう。
元気が復活しても、毛がつやつやになっても、安易に勧めないでしょう。
なぜならば「あなたには犬を飼う資格がありません」などと叩かれてしまうからです。

 

事実、海外でも日本でも、にんにく入りのペットフードは禁止されていません。
それはにんにく抜きのフードと比較して健康被害が多発している、死亡率が高くなっているといったデータが存在しないことを暗に示しています。

もちろんですよ、人も一度に十個のにんにくを食べたらきっと何か起こります。
たぶん胃は荒れるでしょう。

でも日々の健康維持、免疫維持などを目的に、コントロールされた量のにんにくを食べることは問題がない。

それは体の仕組みも、内臓の働きも、使う薬までも人と同じであるペットにおいても同様である。
そう考えるのが科学的ですし、論理的ですし、合理的です。

事実、にんにく入りのフードは市販されているのですから!
(日本では売れにくいでしょうけれど)

 

では、どうして日本では「にんにくは少量でも相当に危険な食材である」ということが常識化されてしまったのでしょうか?

この理由については・・・みなさまの想像におまかせします!(ずるい)
だってですよ、あんまり思い切ったことを書いてしまって、後で何か怖いことがあったら嫌ですもの。笑

 

ちなみに日本は、報道の自由度ランキングで70位くらいです。
わかりにくいですので、G7(主要先進国)の中で言いますと、ぶっちぎりの最下位です。
G7には入っていませんが、おとなり韓国でも40位くらいです。
つまりこの国のメディアはだいぶ病んでいて、正しい情報が得られにくいということ。
逆にネットの自由度ランキングは8位でトップグループ。
とってもハチャメチャですね。笑
なんだか体の病気みたい!

 

アール・ナイチンゲールという人が言いました。
「大衆はいつも間違う」

大多数の人は間違った情報を掴まされ、真実を知っているのは一部の人だけということなのかな。

私が言ったのではありませんよ!

もちろん私も大衆のひとりです。
今まで受けてきた教育、信じ込まされた常識の中には、いくつも間違いがあるのでしょう。(ありました)

すべての常識を疑っていたら、この社会では生きていけません。
でも常識では考えられないような奇跡はたしかに存在し、それを掴まなくてはならないとき、常識通りにやり続けるのが本当に正しいのかと言えるでしょうか?
私はちょっと違うかなと思っています。

場合によっては「常識が奇跡を遠ざけているのかもしれないぞ?」
そうやって物事を斜めから見る視点を常に持つように心がけています。

いえ、心がけているはうそかもしれません。
もう習慣になっていて、むしろ私の性格、もしくは特徴と言ったほうが正解かもしれません。

ときどき飼い主様から
「その手がありましたか、ナイスアイデアです!」「目からウロコです!」なんて言ってもらえるのですが、それも斜め視点からアドバイスしているからだと思います。

 

逆に言えば、私はまっすぐにものを見れません。
いつも相手の意図を考えたり、物事の裏側をみる癖がついています。
「動物病院の説明、裏を返せばこういうことでは?」「薬の副作用をしっかり説明する獣医師はほんとんどいない。それはこういう理由だろう。」

いまの仕事が私に向いていると感じる理由です。

でも日常では損することが多いですね。
映画では、次のシーンはこうじゃないかな?と没入して観ることができませんし、レストランではメニューの並び方が気になりますし、何事においても普通に楽しむのが下手です。
こんなですから当然のこと友だちも少なめです。

どちらかと言えば不都合が多い性格なわけですが、自分が変わり者だという自覚があるだけマシでしょうか?笑

 

今回はにんにくを取り上げましたけれど、他にも私が疑っている常識はいっぱいあったりします。
機会があればお伝えしていきますね。

もしリクエストがありましたらどうぞ!
大丈夫です、安全な範囲でいきますから^^

 

ということで今回はこのへんで
また次回をお楽しみに!

 

 

追伸

世の中にはいろいろな人がいて、いろいろな職業があって、中にはその道を極めた人たちがいますよね。
そういう人たちの格言から「常識」にまつわるものを、いくつかネットから探してきました!
私の言葉ではありません!(しつこい)

 

デカルト(哲学者で数学者)
常識とはこの世で最も広く分配されている用品である

アインシュタイン(物理学者)
常識というものは世間一般に信じられているほどの根拠をもたない

スティーブ・ジョブズ(Appleの共同創業者の一人)
常識?ああ、凡人が仲良く生きるためのルールのことか!

太宰治(小説家)
常識はいいものである。これには従わなければいけない。けれども常識は十年ごとに飛躍する

バートランド・ラッセル(哲学者、数学者)
常識外れの思想を持つことを恐れてはいけない。今日の常識のほとんどは、元々常識外れの思想から生まれているのだから。

ケインズ(経済学者、投資家)
世の中の大多数の人は常識に反して成功するよりも、常識どおりに動いて失敗するほうがマシだと考えている

デカルト(再び引用!哲学者で数学者)
結局のところ、習慣や実例のほうが、どんな確実な知識よりも私たちを納得させているが、それにもかかわらず、少しでも発見しにくい真理については、ただ一人の人がそういう真理を見つけ出したという方が、国中の人が見つけ出したと言うより、はるかに誠らしいから、賛成の数が多いからと言って、何一つ価値のある証拠にはならない。 こうしてわたしは、他の人よりもこの人の意見の方を採るべきだと思われる人を選び出すことが出来ずに、自分で自分を導いていかざるを得ないことになっていた。

 

やっぱり偉人たちの国語力は高いな~!
お叱りのにんにくのメールから、また勉強してしまいました。
何ごとも勉強。
何ごとにも感謝して、まだまだ頑張ります!

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