ストレスが病気を作るメカニズム

あなたは、こんな経験がないだろうか?

・緊張すると吐き気がする
・受験当日に限って下痢になる
・運動もしていないのに、恋愛で心臓がドキドキする
・落ち込んでいるとき、呼吸が浅く速くなる

これらは全て、「気持ち」が「体」に指令を送った結果である。
つまり、脳が先に動き、体がそれに従ったという状態。
これは偶然ではない。脳と体は、生物学的に強く結びついている。

脳はストレスを感じると、副腎に信号を送り「コルチゾール」というホルモンを分泌させる。これは血糖を上げ、心拍数を高め、体を“戦闘モード”にするための生理的反応だ。だが、この反応が長期間続くと、免疫抑制・炎症促進・代謝異常といった負の影響を引き起こす。

このとき、影響を強く受けるのが「腸」だ。腸には神経細胞が網のように張り巡らされ、セロトニンなどの神経伝達物質の多くがここで作られる。脳と腸は密に通信しており、「腸は第二の脳」とも言われる。

この脳と腸の双方向通信を「脳腸相関(gut-brain axis)」という。ストレスによって腸内細菌のバランスが崩れると、腸は炎症状態となり、バリア機能が壊れ「リーキーガット」が起こる。ここから有害物質が血中に入り、全身に炎症反応を広げてしまう。

これはペットにも当てはまる。飼い主の不安、生活環境の変化、孤独や過保護といったストレスは、目に見えない内的ストレスとなって腸に影響を及ぼし、やがて皮膚・消化器・免疫系の不調として現れる。

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