腎臓の仕組み・役割・特徴

腎臓は腰のやや上、背中側に左右一対あるそら豆のような形の臓器で、血液をろ過して尿を作り、体内の水分や塩分、老廃物のバランスを調整する。体を内部から「掃除」する働きを持っている。

腎臓の主な役割は以下の通り。

ろ過
 血液中の不要な老廃物や余分な水分、塩分を取り除いて尿として排出する。1日に180リットル程度の血漿(血液の液体成分)をろ過しているといわれる。

再吸収と分泌
 一度ろ過された成分の中で、体に必要なもの(糖、ナトリウム、水など)は再び体内に戻される。不要なものは追加で分泌され、尿に排出される。

ホルモンの分泌
 赤血球を作るエリスロポエチン、血圧を調整するレニン、骨の健康を保つビタミンDの活性化など、腎臓は内分泌器官としての機能も持つ。

腎臓のろ過機能については、魚の飼育水槽の上部に設置する浄水フィルターに似た仕組みといえる。汚れを取り除き、また水槽に戻す。これによって魚に快適な環境を維持する。

しかし腎臓の働きは非常に高度であり、実際には単純な「ろ過装置」ではない。体内の恒常性(ホメオスタシス)を維持するために働く調整センターでもある。1日に作られる原尿は約150〜180リットルと莫大だが、最終的に尿として排出するのはわずかに1〜2リットルである。もちろんこの尿の量は飲水量によって大きく異なる。

尿量が少ない、つまり飲水量の不足は、腎臓に大きな負荷をかけるために腎臓病の最大リスクと言えることを追記しておく。また尿を作るためにナトリウムの存在が大きく貢献しており、適切なナトリウム摂取が不足すると、かえって腎機能を損ねる可能性がある点は、現代医療における盲点でもある。

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